2011
Aug 06
(Sat)

ガレージドア


 茅ケ崎南湖モデルハウスのガレージドアがリニューアル。
 中庭のケヤキ木にセミがジージー・ミンミン10匹あまり鳴くさなか、お披露目となった。
 コンゴー産業・ルート66・ガレージドア。木製のオーバースライダー式だが、デザインが斬新。これにはまいった。あたかも観音開き。デコレーションの中央の取っ手、両端のアイアンのヒンジがその効果を演出している。
 扉の色を見ると、マスタード・イエローに少量アイボリーを加えた混合色。私、パンプキンクリームスープを連想した。
 やがて、裏ごしされたかぼちゃの繊維質の食感に想像が及んだ頃、いっしょにながめていたコンゴー産業の高藪氏が注釈を加えた。
 ガレージ文化にAmerican Toyの楽しさを加えたデザインです。ただ今公開中ののディズニー・ピクサー映画「カーズ2」、これがモチーフなんですよ。前作「カーズ」はもともと「ルート66」という題名で公開される予定だったんです、知ってました? しかし、昔のアメリカドラマですでにそのタイトルは使われていたんですね。だからピクサーは「ルート66」を意識しながらストレートなネーミングで公開した。カーズとルート66・ガレージドアのマッチングは去年からすでに温めていたアイディア。さて、前置きは長くなりましたが、このイエロー、どことなく品があるじゃありませんか、ねえ。
 パンプキンクリームスープの色に品がある、即座に返事には困ったが、高藪氏の熱意をないがしろにもできず、「そうですねぇ。また一歩ディズニー・ハウスに近づきましたか」と敬意を払えば、「これから日本もまたよくなりますよ」などと言う。「まったくですなあ」とでも答えておけばよかったか。
 しばらく続く沈黙。お互い噛み合う言葉を探す妙な間。それでも確かな意思疎通はあった。その証拠に私の澄ました耳には真夏のセミの声、続いて高藪氏の「今日は、セミがよく鳴きますねえ」の一言が届いた。

2011.8.06 Kiyoshi Nishinomiya