2019
Jul 19
(Fri)

「逢わせ屋本舗」



6月7日頃始まった梅雨がまだ明けない。
その翌日6月8日土曜の夜、茅ヶ崎市立西浜小中の同級生、三橋真一(みつはししんいち)と誘い合わせてやはり同級生の野口大視(のぐちひろみ)を連れ出した。
私は20年ぶり。三橋真一こと真坊は40年ぶり。話は弾むと予測はしていたが、私、真坊、野口の男3人肩を叩き合って目をしばたたかせるだけでは、面白くないわけで。
三橋薫(みつはしかおる)を呼ぶことにした。
私は薫とは小中ばかりか高校まで一緒で男女というよりむしろ兄弟姉妹のような感覚の仲なんだけど、野口にしてみるとれっきとした初恋の人。
中央林間から薫がやって来て「逢わせ屋本舗」は見事に成功したが、その暁には野口の全カツラを彼女の前で力づくでも剥ごうと企んでいた私と真坊。
できませんでした。
聞けば10年ほど前に「第4期咽頭癌」から生還したという野口。その野口が薫がトイレに立った隙に、
「カツラは抗がん剤の後遺症なんだ。薫ちゃんにはバラさないでくれ」
すっかり老眼が進んだ薫には気づかれないことをいい事に、酔ってるとはいえ、そう涙目で訴えるじゃありませんか。
ったくもう。この梅雨空に相応しくうっとうしい言い訳だ。
しかし。
この歳になって初恋の人に再会できるなんて、ふん、なんと幸せなヤツだ。私だってボケる前に会っておきたい。

「逢わせ屋本舗」
それが今年の梅雨入りして間もなくの出来事だった。

2019.7.19 Kiyoshi Nishinomiya

2019
Jul 04
(Thu)

地元の友達



「62歳8ヶ月」
昨日訪れた茅ヶ崎市立病院の診察結果表には私の年齢がそう記されていた。
慢性化していた鼻詰まりを解消するために「鼻中隔湾曲症」の手術を受けたのが先月5月23日。一か月後の最終経過観察に出かけたところが、「62歳8ヶ月」。
この歳になって地元茅ヶ崎の旧知の仲の友達を「親友」と呼ぶにはちょっと恥ずかしいが、私にもそういう奴がいて、そいつは辻堂に客席20人ほどの「魚料理屋」を開いる。

「鼻中隔湾曲症」による半年間の鼻詰まりは不眠症を誘い、ヤバい、体はガソリンが底をついたエンジンのようにいつ止まるともわからず。頭は、ヤバい、もう認知が入っているかのよう。人間こうなると嗅覚も味覚も鈍くなる。
その手術前はこんな状況だった。

そんな折、奴の店に行った。
「そうか、ヤバいか。じゃあ、これ、試してみろ」

そう言って、奴は、無理やりカウンター越しの私の鼻に効かせたワサビを近づけた。頭の芯がツーンときた。涙がでた。
奴の白くもない歯がこぼれた。
「まだ大丈夫だ。本当にヤバいお客さんは、これが効かない」
30年もカウンター越しに老若男女、各種の酔いの回った人々を見ていると、それがわかるという。
「次に」
と、奴が出したのがふたつの白身の刺身。
「ひとつはお馴染みのハマチ。これはコリコリとしている。もうひとつは今日仕入れたカマスの切り身。カマスは身がふわふわとしているからめったに刺身なんかにしない。すぐに口の中で崩れる。この違いは通常の人間にはわかる」
口に入れてみた。奴の解説に首をかしげた。両方ともコリコリとしたハマチの食感だった。結果を告げると奴の顔が曇った。
「むー。そうか、違いがわからんか。舌が麻痺しているな。やっぱ手術は必要のようだ。さっさと受けた方がいい」

茅ケ崎市立西浜小学校では5年生6年生が一緒だったが、話した記憶はまったくなく。
茅ケ崎市立西浜中学校では学年一番のかわいい͡娘を奪い合ったが、負けた。
神奈川県立茅ケ崎北稜高校では3年生の時同じクラス。校内陸上競技大会で400m×4/1600mリレー。こけた私は一番びりを走りバトンをアンカーの奴に渡したら奴は驚異の5人抜き。周りの女の子がキャーキャー言っていた、まだ覚えている。

なにかにつけていけ好かない相手だったが、そうした「遺恨」もやがて風化が進み。ふん。けっこういかした奴じゃねぇか。

明日はわが社の納涼会。奴の店で行うことになってるいるのだが、「鼻中隔湾曲症」手術後の再開。こっちの鼻息きは物理的に荒くなったわけで。社員の前では目一杯奴をこけ降ろそうと思う。

「辻堂 漁や」で検索。
なかなか美味しい魚料理。
「ニシノミヤのHPを見ましたあー」と言っていただければ、すこしは愛想のいい笑顔が返ってくるはず。あらかじめ要予約。

2019.7.04 Kiyoshi Nishinomiya

2019
Jun 13
(Thu)

そういえば、白根全さん。



そういえば、白根全(しらねぜん)さん。
もう、30年も前のこと。一緒に仕事をしたことがあった。
私、「西ノ宮家」を家出し、大学の先輩を頼って番組制作プロダクションに入り、やがて独立。そのあたりで、白根さんと一緒に仕事をしたことがあった。
テレビ東京「YAMAHA ON&OFF」。バイクとヨットの15分の情報番組。なんとかというバイク評論家さんが「インカ・ラリー」に出場するから番組で取り上げてくれないだろうか、という提案。南米ペルーで開かれる約一週間のオフロード・バイクによるラリーに命懸けで挑戦するから是非にドキュメンタリー化してほしい、という提案。
面白そうだが、予算は一話150万円。日本から取材スタッフやら撮影クルー隊を送り込んでロケ。20倍の3000万円コースの番組化。そんなの当然できません。
でも、「インカ」という単語の響きはロマンがプンプンで。なんとか番組化しようと。
そこで探し当てたのが、南米地域を得意とするフォト・ジャーナリストの白根さん。アルゼンチンのブエノスアイレスにご滞在。日本からホームビデオカメラとテープを一式送り、
「すみませーん。一週間、バイク評論家さんの姿を撮っていただけませんでしょうか。予算はなく、お手元に届いたビデオカメラがギャラがわりで」
と、国際電話。
事後承諾。
一か月後に送られてきた一週間の映像を15分に縮め、私、勝手なナレーションを書きON AIR。「インカ・ラリーとはなんぞや」「挑戦した日本人のバイク評論家さんはかくかくしかじかで」。そんなの全部嘘っぱち。ON AIR後にスポンサーのYAMAHAから大目玉食い。
白根さんからしていい加減だった。日本のバイク評論家さんではなく、韓国から出場したプロライダーをずーっと追いかけ。
私も白根さんも日本のバイク評論家さんとは一面識もなかったわけで。

白根さんの消息を辿ると、今や世界に二人しかいない「カーニバル評論家」とかで。
まだまだご健全そのもの。

 

 

2019.6.13 Kiyoshi Nishinomiya

2019
Jun 12
(Web)

現場事務所のバラ



現場事務所。
茅ヶ崎市矢畑の宅地開発は先代からまたがって約30年間続いた。
工事関係者の詰所として設置されたトタン葺の小屋は、今ではうちの社員の喫煙所。とりわけ西山君のリビングになっている。
だから私はあえて近づかない。
その西山君から昨日の朝、写メが送られてきた。
「すごいです。バラが満開です」
数年前、片瀬のモデルハウス、イングリッシュガーデン付のハーフティンバー様式を気取った自慢のモデルハウス、そこから西山君がこっそり一枝、挿し木にして移植していたバラだと言う。
片瀬のモデルハウスは今や写真スタジオに貸してしまったが、英米建築様式を追及していた50歳代が懐かしい。

2019.6.12 Kiyoshi Nishinomiya

2019
Feb 22
(Fri)

「テロリストのパラソル」



もう20年以上も前のこと。書店に入り並べられた数多くの中から一冊の本を手に取った。「テロリストのパラソル」。江戸川乱歩賞受賞作という帯よりもそのタイトルに魅かれた。
日本のハードボイルド小説に初めて触れその晩一気読みしたことを覚えている。
「本」との出会いは偶然見かけた好みの女性に思い切って声をかけることによく似ている。
時間をかけて付き合ってよいのか、悪いのか。
ネットで本を購入。書店に足を運ばなくなった昨今。素敵な女性に巡り合えなくなったのは決して歳のせいではあるまい。

2019.2.22 Kiyoshi Nishinomiya