2013
Mar 23
(Sat)

ジンセイとは長く、


 ジンセイとは長く、そして本来はひどく退屈なものらしい。ちょっと油断しているとすぐにもてあましてしまうと、なにかの本で読んだことがあった。
 これじゃあいけないと、久々にリーバイス501を買った。5900円。
 明日は日曜日。買ったジーンズの加工をして楽しもう。
 30年もやっている自己流のリジッドのノリ落としと、第一回目の洗濯機の濯ぎ。
 この時の緊張感が格別。ジンセイのひとコマを味わえる。

2013.3.23 Kiyoshi Nishinomiya

2013
Mar 22
(Fri)

コッツウォルズの犬と羊


  「近々、家を建て替えたいんだが」と訪ねてきた人がいた。
 藤沢片瀬山モデルハウスに植えてあるバラの樹形に共感を得てやってきた。聞けば、定年後はイングリッシュ・カントリーな生活を夢見ているという。素朴に、つつましやかに、古いものをいたわって。
 となれば、英国で一番美しい村といわれている「コッツウォルズ」の生活か。
 HPをアットランダムに開くと、英国メディアが2012年9月に伝えた一枚の写真に目がとまった。
 牧羊犬が哺乳ビンを口にくわえ子羊にミルクをあげている写真。
  犬も羊も、写真には写っていない飼い主も奥さんも家族もそろって充実したジンセイをあゆんでいるように思えた。
 家を建て替えてこの生活感を味わおうとしている人がいる。
 設計・デザインの効用。どこまで発揮させることができるんだろうか。

2013.3.22 Kiyoshi Nishinomiya

2013
Mar 21
(Thu)

岩井さん、稲村ケ崎三丁目はシーサイドです。


 岩井さん、稲村ケ崎三丁目はシーサイドです。
 石段を200段ほど登って到着する岩井さんの建設予定地。標高もかなりある山のてっぺんですが、ありぁ、シーサイドでもあります。
 私、朝ごはんを食べる時も車を洗車している時も、日々日々、施主様たちの家のプランを頭に描いているんですが、岩井さんのことも例外ではなく。
 稲村ケ崎三丁目。山の上のシーサイドシーサイドという言葉が頭を駆け巡っていましたら、ふと目にとまったVISAの会員誌の4月号。家のリビングのテーブルに無造作に置かれていたんだけれども。
 海に浮かぶ環礁の突起した岩の住宅が表紙。
 これですな、この延長上が岩井邸ですな。
 ピンとひらめいたんでございます。

2013.3.21 Kiyoshi Nishinomiya

2013
Mar 16
(Sat)

ダウンロードの取扱説明書



  私の知合いの関根くんはiphon5はもっていない。なのに、使い方をよく知っている。関根くん、33歳。関根くんの携帯はもうかれこれ5年使い続けているdocomoのSO901i。
 関根くんはHPからiphon5の取扱説明書をダウンロードしてその使い方をおぼえた。
 そうやって、最新のSONYのデジカメもBOSEのワイヤレススピーカーの使い方もおぼえた。
 奥さんと、3歳になる男の子。それに、月々8万の住宅ローン。これが関根くんの責任のノルマである。
 だから、欲しいものがあっても我慢する。
 もうそろそろ、携帯はスマホでもいいんじゃない?と勧めたが、
 「この秋に、またひとり、子供が産まれます」
 関根くんの取扱説明書を読んで買ったつもりになる習慣は、まだまだ続く。

2013.3.16 Kiyoshi Nishinomiya

2013
Mar 15
(Fri)

天才エンジニアの落合氏



 天才エンジニアの落合氏からは今年になってわずか年賀状が届いたきりだ。後はなんの音沙汰もない。
 なかなか本調子にならない1967年式ハーレーダビットソン、46年前のバイクを落合氏に預けたのがおととしの暮れも押し迫った12月29日。その時、私と落合氏の間に暗黙のルールが発生した。
 前歯が抜けてしゃべる時息がふぁふぁと抜ける独特な落合氏の言葉、その言葉はなかったが、私には聞こえていた。
 「きっちりと、ひかもお安く直ひます。この手のバイクはわたひも好きでふぁね。そのかわり、催促はなひにひてください」
 そういう取り決めで修理を依頼した。
 あれから春が来て夏、秋、冬が来て一年が過ぎ、そしてまた春がやってきた。
 今年になって落合氏からの音沙汰は一枚の年賀状だけ。
 そろそろもういい頃じゃないか。
 2013年春。私のコンクラーベは落合氏からの一報である。

2013.3.15 Kiyoshi Nishinomiya