2014
Jul 30
(Web)

西山くんの家



 
 弊社の現場写真は西山くんが撮ってくるのが常だ。そのデジカメのデータの中にウッドデッキのおしゃれな庭の写真があった。グリーンのキャンパスのパラソル、ココヤシの鉢植え、影が夏らしいソテツの葉、赤いジョ―ロ。はて、どこのお宅の家なんだろうか。
 聞けば、西山くん自身の家だという。
 さぞかし楽しげな夏のガーデンパーティーの日々?
 ところがところが、飼い猫が外に出ないように窓は閉めっぱなし。わずか水やりの時だけ足を踏み入れる場所なんだそうだ。
 ひたすらガラス越しの観賞用のウッドデッキガーデンのようだ。

2014.7.30 Kiyoshi Nishinomiya

2014
Jul 18
(Fri)

捨てコンの前方後円墳


 この頃弊社のニシノミヤストリートで茅ケ崎市教育委員会による埋蔵物文化発掘調査があった。奈良平安時代の住居集落跡が出てきた。6月30日に調査は終了したが、まだ、半月あまりのことで記憶に新しい。
 そんな折、茅ケ崎市H様邸の基礎工事が始まった。基礎工事の初期段階ではしっかりとしたベタ基礎を敷設する前に、地盤安定のためにおおよそのコンクリートを建て物の外周に流して施す。意図的に捨てるので、これを建築用語では「捨てコン」と呼ばれている。この捨てコンの作業風景を西山くんがデジカメにおさめてきた。
 おお、前方後円墳じゃないか。H様邸は多角形の部屋のある設計。カメラアングルによってはクフ王ピラミッド、始皇帝陵とならんで世界三大陵と並び称せられる仁徳天皇の前方後円墳によく似ているじゃないか。
 1000年か2000年経って、ここら一帯を茅ケ崎市教育委員会が発掘調査をしたとしよう。そうすると、住居集落なのに、仁徳天皇の前方後円墳と酷似した利用跡。んー、これはこれは、ひょっとしたら身分の高い人の所有地だったんじゃないだろうか。どうせだったら、そう首をかしげていただきたい。

2014.7.18 Kiyoshi Nishinomiya

2014
Jul 16
(Web)

K様邸のフレーミング


 台風8号の通過で一気に梅雨前線も押し上げられ、いよいよ梅雨明けとなったんじゃないかと思わせるほど晴天が続く。またしばらくすると梅雨空に舞い戻るというこのタイミングに、K様邸のフレーミングが終わった。構造用合板で覆われた家。まだ窓もサイディングもおさめられてはいないが、家の外観は見える。在来工法では上棟時といい、ツーバイフォーではこの状態をフレーミング終わりという。
 左右対称のジョージアンを意識したニューイングランド様式の家。ラップサイディングの色も決まり、ちょっとアンティークなアメリカの郊外にありそうな家になる。
 もう次の台風9号が日本の南の海上に発生しているとか。こんどこそ北上したら梅雨前線を押し上げてほしい。

2014.7.16 Kiyoshi Nishinomiya

2014
Jul 11
(Fri)

片瀬のつるバラ


 弊社の藤沢片瀬モデルハウスの壁面に沿ってつるバラがはえている。自然と立ちあがったわけではなく、目立たないようにビスと針金線でつってある。バラの茎にはツタと違って自ら自立させる吸着根がない。それでもじくじくと壁を伝わっているように見せかけた。バラの種類は5mは伸びると言われるエンジェルフォール。去年から日曜日の度に仕掛けたの私の自慢の壁面装飾。
 ところが。
 今年は、はしご、脚立ではもう届かない。2階の軒まではわせる計画。
 とうとう、建築現場でつかう足場を組んでのクライミング。
 ボーダーレス。日常の仕事とウィークエンドのひとときの境がなくなった。 

2014.7.11 Kiyoshi Nishinomiya

2014
Jul 02
(Web)

梅雨の合間に


 梅雨の合間に起工式を行った。茅ケ崎市矢畑の宅地開発工事。
 午前10時から始まった。すでに30度を超えていたが、梅雨時ではなく爽快な真夏のようだった。
 現場の畑の土くれの匂い、シャーシャーと聞こえるクマゼミの声、後ろの空に立ちあがる入道雲。木立の陰のひんやりとした空気。50年前の幼年期のなつかしさがよぎった。
 昭和の日本にはこういう場所がたくさんあった。健冶と将来を空想するスリル。向こうの道を髪を遊ばせながら走る香澄ちゃんは特別に見えた。その夜にホタルを追う香澄ちゃんは浴衣姿。こっちは相変わらずの半ズボンで近寄りがたかった。
 梅雨の合間の起工式。絵日記を描きたくなるような夏のひとときだった。

2014.7.02 Kiyoshi Nishinomiya