2012
Aug 18
(Sat)

鎮物


 地鎮祭の時に施主様は神主さんから「鎮物」をもらう。大きさは単行本ほどのもの。薄い桐の箱、紅白の水引き。格別におめでたさを感じる素材がうれしい。
 ところが、似あわないのが「鎮物」の文字。「地よ。ここに家を建てるのですが、どうか鎮まってください」となだめる証のお札。おろそかにしたら不吉なんじゃないかと懸念してしまう。
 神主さんは、「このありがたい鎮物を、どうか基礎の下に埋設してくださいな」と告げるもんだから、施主様も工務店も迷わず「はい」とかしこまる。
 井田さんもちゃんと埋設してくれたのかどうか気になっていたようだ。大丈夫。確かに埋めましたよ。
 さて、箱の中身である。何が入っているのか。好奇心満々。10年ほど前私はこっそり覗いたことがあった。ははあ、なるほど。その様子を神主さんに言ってみた。
 「そうですか、見てしまいましたか。くれぐれもご内密に」とのこと。
 私は10年間、その秘密を守り続けている。 

2012.8.18 Kiyoshi Nishinomiya