2012
Jun 29
(Fri)

切れたピンクの糸


 工事現場で地を這うピンク色の水糸。注意をひくための派手な色。それでもひっかけて切ってしまう。また結んで使うが、年々老眼が進むと厄介になる。そのまま放置するわけにもいかず、端と端をさがす。
 そうすると必ず頭をよぎる歌。もう35年も前の歌の台詞。「一度途切れた愛の絆は、つないでもつないでも結べはしない。訳も知らず別れる恋人よ、それはきっと男のせいさ」
 歌い終わる頃にはだいたい結び直せるが、焦りながら懐かしむ妙なひとときだ。

2012.6.29 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Jun 28
(Thu)

TOKOさんのSUP専門誌


 TOKOさんのSUP(スタンドアップパドルボード)専門誌は7月末の創刊だった。6月末は間違い。しかも雑誌名も「PADDLE!」だった。出版社は間違いなかった。マリン企画から。
 私、しばらくカウボーイを気取り馬を自宅で飼うことができるかと模索していたが、どうやら難しいことがわかった。湘南茅ケ崎で北海道帯広のような生活を求めた基本計画に誤りがあった。湘南茅ケ崎ではやはり海に依存する生活を送らなければモッタイナイ。55歳からの突破口をこっちに移行しようかと思う。

2012.6.28 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Jun 27
(Web)

ピンクの糸


 工事現場では似つかわしくないピンクの糸だが、これが大活躍する。水平を出す。垂直をだす。直角をきめる。そもそもと工事現場は殺風景。華がない。そうした中でピンク色の糸は浮いている。建築用語で「水糸(みずいと)」という。水平な水面に張って使ったからそう呼ばれてている。江戸時代、もしくは安土桃山時代以前からかもしれない。
 浮いている色だから注目する。地味だと目立たず、うっかり横切ってしまう。

2012.6.27 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Jun 26
(The)

TOKOさんからmail


  TOKO(トコ)さんは雑誌のフリーライター。何年か前私を取材に来た。
 雑誌社から「トコさんというライターがそちらに行きますよ、よろしく」と言われ時には、思わず「としこ」という略称の女性だと期待した。実際、私、大学時代にご縁があった女性もそう呼ばれていた。会ってみればTOKOさんは昭和半ば生まれの男だった。
 そのTOKOさんからmailがきた。
 かつて、エールフランスの毛むくじゃらのごっつい男のパイロットにナンパされた話だった。僕、そっちの趣味はありません、きわめてノーマルですから、と断ったそうだが、それでもしつこい。間を置いてまたささやいてくる。ところがTOKOさんそのうちに、拒んでいる僕がいけないと錯覚しかかったそうだ。リズムだという。波のように間隔を置きささやくリズム。このリズムに日常を忘れかけたという。
 ははぁ、極意はリズムにあったわけですかい。もっと早く知っておけば取りこぼしも少なかったと、私、心当たりがあった。
 TOKOさんのMailの主題はSUP(スタンドアップパドルボード)の専門誌「SUPMAG」創刊のお知らせであった。TOKOさんが企画しマリン企画から発売する。今月末には書店に並ぶとのこと。

2012.6.26 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Jun 25
(Mon)

マヤのカレンダー


 旧ウッドランド今やナイスの井上さんが「マヤのカレンダーは2012年で終わっているって言うじゃありませんか」と、去年の3.11の後にそう言った。井上さんとは地震発生時、弊社モデルハウスの3階で共に過ごした仲。
 私、スケジュール帳は自分で作る。見開き一ヵ月のスタイルが使いやすい。市販されているサイズでは小さく一日が書き込めない。A5サイズのMOLESKINE(モレスキン)のノートで作る。罫線をひく。月、日、曜日を書く。単純な作業だがけっこうな根気がいる。一年分を一気には作れない。
 思うんだが、マヤのカレンダーを作った人だって大変な作業だったに違いない。石の上に刻む。MOLESKINE(モレスキン)相手の比じゃない。2012年のところまできて相当疲れたんじゃないだろうか。一休みしてまた続けようと思っているうちにマヤ文明が終わったんじゃないだろうか。
 実際にカレンダーを作ってみてそう思う。

2012.6.25 Kiyoshi Nishinomiya