2013
Mar 22
(Fri)
コッツウォルズの犬と羊

「近々、家を建て替えたいんだが」と訪ねてきた人がいた。
藤沢片瀬山モデルハウスに植えてあるバラの樹形に共感を得てやってきた。聞けば、定年後はイングリッシュ・カントリーな生活を夢見ているという。素朴に、つつましやかに、古いものをいたわって。
となれば、英国で一番美しい村といわれている「コッツウォルズ」の生活か。
HPをアットランダムに開くと、英国メディアが2012年9月に伝えた一枚の写真に目がとまった。
牧羊犬が哺乳ビンを口にくわえ子羊にミルクをあげている写真。
犬も羊も、写真には写っていない飼い主も奥さんも家族もそろって充実したジンセイをあゆんでいるように思えた。
家を建て替えてこの生活感を味わおうとしている人がいる。
設計・デザインの効用。どこまで発揮させることができるんだろうか。
2013.3.22 Kiyoshi Nishinomiya
2013
Mar 16
(Sat)
ダウンロードの取扱説明書

私の知合いの関根くんはiphon5はもっていない。なのに、使い方をよく知っている。関根くん、33歳。関根くんの携帯はもうかれこれ5年使い続けているdocomoのSO901i。
関根くんはHPからiphon5の取扱説明書をダウンロードしてその使い方をおぼえた。
そうやって、最新のSONYのデジカメもBOSEのワイヤレススピーカーの使い方もおぼえた。
奥さんと、3歳になる男の子。それに、月々8万の住宅ローン。これが関根くんの責任のノルマである。
だから、欲しいものがあっても我慢する。
もうそろそろ、携帯はスマホでもいいんじゃない?と勧めたが、
「この秋に、またひとり、子供が産まれます」
関根くんの取扱説明書を読んで買ったつもりになる習慣は、まだまだ続く。
2013.3.16 Kiyoshi Nishinomiya
2013
Mar 15
(Fri)
天才エンジニアの落合氏

天才エンジニアの落合氏からは今年になってわずか年賀状が届いたきりだ。後はなんの音沙汰もない。
なかなか本調子にならない1967年式ハーレーダビットソン、46年前のバイクを落合氏に預けたのがおととしの暮れも押し迫った12月29日。その時、私と落合氏の間に暗黙のルールが発生した。
前歯が抜けてしゃべる時息がふぁふぁと抜ける独特な落合氏の言葉、その言葉はなかったが、私には聞こえていた。
「きっちりと、ひかもお安く直ひます。この手のバイクはわたひも好きでふぁね。そのかわり、催促はなひにひてください」
そういう取り決めで修理を依頼した。
あれから春が来て夏、秋、冬が来て一年が過ぎ、そしてまた春がやってきた。
今年になって落合氏からの音沙汰は一枚の年賀状だけ。
そろそろもういい頃じゃないか。
2013年春。私のコンクラーベは落合氏からの一報である。
2013.3.15 Kiyoshi Nishinomiya
2013
Feb 27
(Web)
井上さんと萩原さん

ナイス株式会社という建材を卸している商社がある。その輸入建材部門の弊社の担当が井上さん。51歳になったばかりの方。今では奥さまと仲睦まじい二人暮らし。気がつけばもっぱらの趣味がプラモデルづくり。
弊社・施主の萩原修さんも51歳。かつて、レーシングドライバー。18年前、自らハンドルを握っていたADVAN・スカイラインGTRは、今だプラモデル化されている。
その井上さんと萩原さんが出会って、井上さんが萩原さんのレーシングカーのプラモデルを作った。
その出来映えに萩原さんは大喜び。今までたくさんの完成品を見たけれど、最も美しい仕上がりですよ、立派なプロモデラ―の腕前です。
以来、井上さんと萩原さんは大の仲良しになる。
縁とは、どこでつながるかわからない。
2013.2.27 Kiyoshi Nishinomiya
2013
Feb 08
(Fri)
ダークナイト ライジング

この頃、私が仕事の合間に聴いているCDは「ダークナイト ライジング」。去年の夏に公開されたバットマン・シリーズのサントラ盤。
ダークナイト。闇の騎士。着せられた濡れ衣。逃げまどうバットマンを重厚に演出するBGM。
迫りくる危機感。得体のしれない恐怖。絶望的な結末。
そんな臨場感が耳から伝わると、健全な住宅建築の仕事が、一気に銀行襲撃計画と同じくらいの゛悪事゛に変わる。
ハードボイルドな自分を気取れる。
しかし、あまり聴きすぎると、暗く暗く沈んできて゛ウツ゛になりかねない。劇薬扱いする必要がある。
2013.2.08 Kiyoshi Nishinomiya