2012
Oct 19
(Fri)

L.L.Beanのカタログ


 L.L.Beanのカタログが来た。秋も深まっり朝晩が涼しい。上着が欲しいと思ったらとたんに来た。やはりL.L.Beanのマーケティング部はめざとい。
 一方で、カタログのモデルさんは相変わらずお美しい。気温と心理の狭間のマーケティング戦略なんかとたんに忘れてしまう。しかも、このたびの表紙は池の橋を男女が腕を組んで歩くという、見ているだけで心温まるストーリー仕立て。思わずページをめくってしまう。
 こんなシーンはなかった。
 ここしばらくのカタログを思い返したが、なかった。
 そうである。夏、どんな美女にでもまとわりつかれたら、暑苦しくてしょうがない。べとべと。
 こうして秋を感じ取る、おととい56歳になった私である。

2012.10.19 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Oct 12
(Fri)

母親の時事放談



 
 コンクリートに埋設されている鉄筋が錆びたら、放っておいてはいけない。膨張を続けて亀裂を生じさせる。古いブロック塀の下ぶくれもそうやってできる。
 82歳になる母親は新聞をよく読む。「世界経済の下ぶくれ現象」をこの私に説明する。時あたかも日本で開催されているIMFと世界銀行の席にでているキーワードだ。
 「経済でも顔でも、下ぶくれがでたら早めに手当てしなきゃいけないねぇ」
 日ごろから鉄筋の下ぶくれを気にかけている私、母親のわかりやすい解説に、ふぅーん、とうなってしまった。
 「すごいねぇ、まごは。たいしたもんだよ」と新聞に目を向けたまま、また、母親がつぶやく。
 さては、自分の息子と孫を比較してお説教かと黙っていたら、
 「今度、アメリカの企業を買収するんだってさ、ソフトバンクの・・」と続け、孫正義。それを「まごまさよし」と読んだ。
 「今、日本の男はもう一度世界で勝負しなくっちゃいけないよ」と力を込めたが、母親の時事放談。私、躊躇したが訂正せず。それも親孝行のうちとした。

2012.10.12 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Oct 11
(Thu)

戸惑い



 
 ついに秋が深まった。今月私は56歳。次のオリンピック、リオデジャネイロのサンバのリズムがピポッパッパピー、その年には私、60歳になっている。還暦。赤いちゃんちゃんこを着て祝う歳だ。
 そうした歳頃になっての戸惑い。乗っている1964年のフォードトラック。そうとう塗装が傷んでいる。カサカサ。ワックスかけてもカサカサ。コラーゲンもキューティクルもなにもない。使い古しのジーンズのようだ。これをよしとするか、それとも、いたわって新しい塗装を重ねるか。
 赤さびだらけの車が走っている。ピカピカの50年前の車が走っている。ふたつにひとつ。四捨五入。60歳の戸惑いだ。

2012.10.11 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Oct 03
(Web)

高レベル放射性廃棄物



 
 ウラン燃料使用後に生じる高レベル放射性廃棄物の処理方法。溶けたガラスと混ぜ合わせてステンレスの容器に入れ、地中深く地層埋設し10万年保管する。そうすると放射性はほぼ天然のウラン鉱石と同じくらいに戻るという。
 この10万年もという歳月にあらためて関係科学者が懸念を持ち始めたとNHKが報じていた。
 人類の歴史はまだ1万年ぐらい。なのに途方もない未来計画に、私、裏に潜む取引を考えてしまう。
 やはり、宇宙人じゃないだろうか。
   もっと叡智のある宇宙人がすでにアメリカ政府と接触していて、
 「地球に生じた高レベル放射性廃棄物は、くれぐれも宇宙に捨てては困りますよ」と釘をさされちゃあいないだろうか。
 「何度も何度も注意してきたM48星雲のα星人は、一向に宇宙投棄をやめなかったんで、それじぁあ宇宙環境の秩序が保たれませんじゃありませんか。しかたなく抹消してしまったんですわ」
 それを聞いたのは時の大統領ジョン・F・ケネディあたりで、そいつぁ大変と国連を通じて各国にお達しした結果が地層埋設じゃないだろうか。
 この処理方法は宇宙人がいるりっぱな証拠と、私、考えられる。

2012.10.03 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Oct 03
(Web)

パタゴニアから返事


 パタゴニア日本支社から返事が来た。
 「建設会社からの問い合わせは初めてです。一度考えをお聞かせください」
 パタゴニアといえば自然保護をモットーとするアウトドアアパレルメーカー。サーフショップや登山用品ショップでの取引はあった。それも日本上陸草創期のこと。もう20年以上も前のこと。今では直営店舗が全国に散らばっている。
 困った。「かくかくしかじか、弊社は自然環境保護の観点からこうして家を建築しているのですよ」などという理念は語れない。畑を宅地化し、伐採された木材で家を建てているのだから、パタゴニアからすれば反逆者だ。私は単純にパタゴニアのウェアが好きで、弊社モデルハウスで販売できたらさぞかし楽しいだろうと思っているにすぎない。
 「パタゴニア製品と建設業がどう融合するのですか?」と問い詰められたら、どう平然と答えよう。
 「よい住宅は100年はもちます。2度建てなければならないところを1度で済ます。自然破壊の速度も弱まるはずじゃありませんか」
 これだ。われながらなかなか優れた模範回答だ。
 「世界各国の住宅建設業者がパタゴニアを着てごらんなさいな。どれほどの市場が掘り起こせるか」
 あっ。これもなかなかの模範回答だ。

2012.10.03 Kiyoshi Nishinomiya