2013
Jul 12
(Fri)

啓三さん蜂に刺される。


  茅ケ崎市・香川のアパートの施主様、啓三さんは午前10時ぴったりに電気図面の打合せにやって来た。
 ほんとうは、4日前の月曜日にやってくるはずだった。
 だが、水ぼうそうの上に蜂にさされ東部総合病院で手当てを受けたのが、さかのぼることさらにその2日前の土曜日。
 一週間たってようやく立ち上がれた。
 蜂は黒色の大きなものだったという。隣りの庭の草刈り中に頭部のこめかみを襲ってきたのだという。毒針が突き刺さり毒液が注入される様子を恐怖をともなって語っていた。
 ふくらんだこめかみの皮下の様子を想像するに、「お稲荷さん移動は、見積り外のサービス工事だったんですが」と恩着せがましいことなど、言えるはずもなかった。 

2013.7.12 Kiyoshi Nishinomiya

2013
Jul 12
(Fri)

お稲荷さんの移動


 茅ケ崎市・香川のアパート建築現場。
 既存のお稲荷さんの移動を行った。もともとは広い屋敷。そこに施主様がアパートを建てる。敷地内には先祖代々繁栄を護ってきたお稲荷さんがある。
 それを指さし、施主様の啓三さんの指示がでた。
 「あそこの石をこっちに移動して、その上にお稲荷さんをのっけてくださいましな」
 私たちもお気楽に考えていたが大変な作業になった。ユンボで石を引きずり、上に基礎を打ち、正しく結束する。
 困ったのは、この一連の作業が見積りに入っていない。目を三角にした経理の田辺が施主様の啓三さんと闘う姿勢を見せた。
 おやめなさいな、相手はお稲荷さん、どこでどんなご利益を賜ってくれるかわからないじゃありませんか。
 午前10時に施主様の啓三さんが電気図面打合せにやってくる。田辺には堅く口を閉ざすよう言いつけるつもりだ。

2013.7.12 Kiyoshi Nishinomiya

2013
Jul 08
(Mon)

乱形石のアプローチ


 乱形石のアプローチは弊社では大変人気がある。天然石だから経年変化も楽しめる。
 大小の薄い石の破片をジグソーパズルのように組み合わせる。組み合わせ方によってセンスの良し悪しも表面に出てくる。
 高さに凹凸をわざとつける。あまりつけると歩きにくい。そのさじ加減が難しい。
 原材料は中国の山奥で採れるらしい。もともとは広がっていた石の平原。そこをダイナマイトで爆破してパズルのピースを作るらしい。
 そういうことを知ると、心がチクリと痛む。

2013.7.08 Kiyoshi Nishinomiya

2013
Jun 26
(Web)

浜之郷のニシノミヤ・ストリート


 浜之郷のニシノミヤ・ストリートに家々が建ち並びはじめた。
 渡邉さん、水島さん、田中さん、花田さん、岩壁さん、そのほかたくさんの家々。道路を挟んだ反対側の建築途中の二階から足場越しに見ると、それぞれの個性が花を開かせているように見える。

2013.6.26 Kiyoshi Nishinomiya

2013
Jun 24
(Mon)

お稲荷さんの土台の石


 茅ケ崎市・香川のアパート建築を賜った。400㎡余りのところに2棟建てる。
古い日本家屋、立派な松の木、日本庭園ならではの大小の天然石、そしてお稲荷さん。これらを取り除き整地するところから始める。
 依頼主さんがリクエストを出した。
 「家の繁栄と安全を護ってきたお稲荷さん、こいつは残さなきゃならんのですよ。もしできれば、その土台には、ほらあそこの庭石を使ってくださいましな」
 一番大きな石を指さした。
 ところが、建築の実施図面を描いている細井ちゃんが、その写真をスキャンして360°、マウスと人指し指で変化自在の配置図面を作ってしまった。私の断りなしに。
 依頼主さんは大喜び。
 お稲荷さんの土台。上端はミリ単位で水平を出さなければならない。
 さて、現場。どう回すこの巨石。

2013.6.24 Kiyoshi Nishinomiya