2013
Jan 10
(Thu)

ボンドガール


 ジャパンガスエナジー株式会社・東日本支店の弊社担当の植村氏はよくしゃべる。昨日も午後、新年のあいさつに訪れたのだが、38歳、ありったけの語彙を連ねて私の前に長いこと座っていた。
 特に、去年暮れに公開された007の新作「スカイフォール」の段になると、映画評論家顔負けの熱弁をふるっていた。
 私もお正月休みに観た。ジェームス・ボンドの生い立ちが知れたり、上司である老いた女性・Mが死んだりと、波乱万丈のストーリー。まさかMが死ぬとは思わなかった。イギリスの78歳の女優ジュディ・デンチが三代目Mを演じていた。もう台本も読めないほどの視力だといわれている。
 植村氏は、このたびの007はシリーズ中でも異色な作品だという。おきまりのボンドガールらしいボンドガールにスポットが当っていないという。
 スパイ娯楽作品のセオリーにかなっていない、危険な男にアブナイ女はつきものなのに氷のような美女が出てこない、次回作ではきっちりとボンドガールを出さなければならない、かつてのキャロル・ブーケなんぞ美しかったですなあ、などなど。
 私、そろそろ帰宅時間となった。この男の講釈を止めなくては。私の口をついて出た台詞だったんだけれども、それを聞いて植村氏は言葉を詰まらせ、そしてしゃべるのをやめた。
 「そういうことだったんですか」
 と、うなづくと、コートを着て、私の部屋のドアをパタンと閉め出ていった。かなり効いたようだ。
 とっさにしては、私、気のきいた事を言った。そうやって観ていた人は私ばかりではなかろうが、それにしても007が一層深くなる。
 「植村さん、このたびの007、ボンドガールはMなんじゃないんだろうかねえ」

2013.1.10 Kiyoshi Nishinomiya

2013
Jan 07
(Mon)

バンクーバーの邸宅


 バンクーバーにある邸宅。228坪の延床面積。着工から3年以上の工事期間。ブリティッシュコロンビア州西海岸の高湿な気候に十分対応できる構造のツーバイシックス。
 カナダにありながら、イギリスの奏園邸宅建築につきものの広大な庭園と円形ドライブウェイを備えている。伝統的なチューダー様式とクラフツマン様式が特徴的にかみ合った外観。建て物の基礎部分には玄武岩が使われている。
 総工費おいくらぐらいだろうかと、商売柄見積もってしまう。たぶん4億円ぐらいじゃないだろうか。年明けにふさわしい夢のあるお話でした。

2013.1.07 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Dec 31
(Mon)

フライング


 今日は12月31日。まだ新年の一歩手前であるが。
 私、元旦早々はお屠蘇気分。おそらくパソコンに向かうことはなく。
 ならばと、新年のご挨拶は今のうちにと、フライングをすることにしました。
 
 あけましておめでとうございます。大きな幸せと、実り多い新年へのご挨拶をいたします。
 昨年は多くの皆様にご愛顧を賜り、良い家をたくさん作ることができました。これからも一層精進してまいりますので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

2012.12.31 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Dec 27
(Thu)

アメリカン・グラフィティの車


 1973年アメリカ映画「アメリカン・グラフィティ」にはオールディーズの名曲と共に、古き佳き時代のアメリカの車がたくさん出てくる。
 中でも、主人公のポール・ル・マットが乗る黄色の1932年フォード・クーペはつとに有名。ボンネットの中のエンジンをむき出しに見せ、屋根を切り詰め低くしたホットロッドは陽気でやんちゃなアメリカン・グラフィティ(アメリカの落書き)そのもの。この映画のアンバサダー、全権大使。
 その影に隠れて、1940年のフォード・クーペがパトカーで出てくる。地味で登場シーンも少ないが、なかなかどうして、これが今やアメリカでは人気急上昇中の車なんだそうだ。
 すでに72歳になる車両でなんらかの手を加えないと走れるものではないが、それでもどうにかこうにかして日常使える車に仕立てて走る。
 こいつぁ、かっこいいねぇ。ボディーが傷んでいればいるほどかっこいい。座席なんかもほころんでいればいるほど味がある。古びたジーンズのように使う。
 いいですなあ、こういう車との付き合い方。
 

2012.12.27 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Dec 25
(The)

パタゴニアのカタログ


 今日は12月25日、クリスマス。とうとうL.L.ビーンのカタログは来なかった。クリスマス・キャンペーン号がダイレクト送付されると思っていたがやってこなかった。
代わりにパタゴニアのカタログがきた。
 同じアウトドアアパレルなのにL.L.ビーンとはちがってきれいなモデルさんは出てこない。創業したてのころカタログの制作予算がなくてモデルさんなど使うのはもってのほかだったというのは本当の話。代わりに、パタゴニア愛用者からの投稿写真を使っていたそうだ。パタゴニアのあるシーンは誰でもが暖かくなれるぞ、と。
 この頃の写真は投稿写真ではなく、企画されたちゃんとした写真。それでもきれいなモデルさんはでてこない。プロフェッショナルなアルピニストがたき火で暖をとるシーンとか、牧場で早朝、牛にえさをやるシーンとか、寒々しい中にも暖かさを演出するストーリー仕立ての写真。
 思わず共鳴してしまう。
 しかしですよ、L.L.ビーンのクリスマス・キャンペーン号を送ってよこさないというマーケティング。相撲でいえば「けたぐり」という技ですよ。

2012.12.25 Kiyoshi Nishinomiya