2012
Feb 15
(Web)

渡邉実・瞳さんの家


 渡邉実・瞳さんご夫妻の家の新築工事が佳境だ。
 躯体工事(フレーミング)の一階壁の段階まできている。
 耐震性・断熱性に優れているツーバイフォー工法では、①一階床、②一階壁、③二階床、④二階壁、⑤小屋組みという順で躯体工事が行われる。
 デザインは、左右対称のジョージアン様式を意識したニューイングランド仕様。
 躯体工事が終わるとその全容がほぼわかる。なかなか凝ったディテールに注目が集まる。

2012.2.15 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Feb 15
(Web)

円高のミステリー


 円高がこうも続くとは、お釈迦様は知っていたんだろうか。
 円高のミステリー。
 日本が古い木造家屋であれば、アメリカは古い鉄筋コンクリートビル。
 古い鉄筋コンクリートビルから火災が発生してしまい、一時的に古い木造家屋に避難してきた。やがて火災は鎮火。そうすると、もとの古い鉄筋コンクリートに戻っていくんじゃなかろうか、そんな風に思っていたんだけれども、事情には多彩な局面が潜んでいるようだ。
 その謎をとく諸説本が書店にも並んでいる。真犯人はアメリカ。日本の蓄えを世界に散らすための陰謀だとか。または、普天間基地問題を押し通すための史上最大の作戦だとか。
 大変なミステリー小説、まるで007の世界です。

2012.2.15 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Feb 14
(The)

辺境・近境 写真篇


 去年知り合った写真家の松村映三さんから著書を一冊いただいた。あの村上春樹と連れだって中国の裏街、モンゴルの草原、メキシコの村に出かけた記録「辺境・近境 写真篇」。
 十数年前の世界の辺境の様子だが、ひとえにたくましい。羊をしとめる男の、あやしげなカフェの女性の、自転車で粉袋を運ぶ少年の、力ずくの生活が描かれている。
 しかるに、このおふたりも、特別な免疫力と強靭な胃袋を持ち合わせていることがうかがえる。そうでないと、旅先で寝込んでいたに違いない。 

2012.2.14 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Feb 09
(Thu)

マーヴィンのカタログに


 アメリカにマーヴィン社という窓メーカーがある。そのカタログ、何度となく作りかえられても載せられている家がある。いつだったか同社のカレンダーの1月の写真にも使われていたから、マーヴィン社お気に入りの施工例にある。
 私たちの家にもマーヴィン社の窓を採用することがあるが、かくも夢が形に描けるものだねぇ、と恐れ入ってしまうほどの家だ。
 体が人の心の小さな器だとすれば、家とは人の心の大きな器。
 この家からはそんな台詞がこぼれてしまう。 

2012.2.09 Kiyoshi Nishinomiya

2012
Feb 08
(Web)

トラック・フォード F-100を修理に


 1964年式のトラック・フォードF-100を修理に出した。
 へこんだボディ。さびたホイール。3時3分を指したまま止まっている時計。ザーという雑音しか聞こえないラジオ。こういうのは、残しておきたい勲章だが、日増しに液漏れするラジエターには苦慮していた。ボンネットを開けるたびに天才エンジニアの落合氏の顔が浮かび、とうとう修理工場入りとなった。
 その落合氏から電話があった。そうたいしたことじゃない、ガムでも詰めりゃとまるね。
 「ところで、ボンネットの裏にくぎでひっかくように書かれている文字はなんだい?」と聞いてきた。
 どこかの人々を経て、私のところにきた時にはすでに書かれていた、R1526の文字。
 頭文字のRからRoute1526、ルート1526という国道名だろうと当初は思っていが、そんな道路はない。
 この頃気がつき推測できるのが、Ranch。ランチ。日本語で牧場。
 「ルートじゃないね、牧場のR。Ranch1526。牧場の地番じゃないか」と答えると、
 「そうだろうと思ったよ。キャブレターに麦の種が吸い込まれていた」
 1964年以降アメリカのどこかにあった牧場。そこでカウボーイに使われていたトラックにちがいない。
 初めて過去が割れた。

2012.2.08 Kiyoshi Nishinomiya