
私、1月になると決まって思い出すテレビドラマがある。
34年前の1979年1月から4月、10数話で終わったTBSの「たとえば、愛」。ディスクジョッキー・九条冬子を演じる大原麗子の魅力が傑出していた。
時を同じくして市川崑監督演出のサントリー・オールドのCMで「少し愛して、長く愛して」と言っていた大原麗子。このふたつのイメージ、今でも私の中ではピタリと重なっている。
当時、私、大学3年生。翌年は良くも悪くも社会人になっていないといけないわけで。だから、スキー部生活もこれが最後の年。合宿地には上質のパウダースノーが降って欲しい、まちがっても雨なんか降っちゃいけない、と願う日々。そんなさなかにON AIRされていた「たとえば、愛」
もちろん、倉本聰の脚本も良かった。その冬の間中、私は大原麗子に恋していた。
「今晩は。九条冬子です。木曜の夜は零時からニ時まで冬子のお送りするミッドナイトクール。今夜の赤坂は冷たい雨です」
前略、大原麗子様。素敵です、その切なく甘くハスキーな声。まるで宇治金時のかき氷のようです。大原麗子様がいらっしゃる赤坂は冷たい雨だというじゃありませんか。だったら、ここ志賀高原にだって冷たい雨。そういうところから共有したいじゃありませんか。
そうしたら、翌日、ほんとうに冷たい雨がふった。
2013.1.18 Kiyoshi Nishinomiya





