
エンジニアの落合氏が私のバイクを引き上げに来たのが、去年の暮れの12月29日の夜のこと。闇夜にまぎれて夜逃げのような速さでバンに詰め込むと帰って行った。1967年のハーレーのエンジンを載せ替える計画がようやくスタートした。
だが、あれから10ヶ月余り。落合氏から音沙汰はない。
この間、当然バイクに一度もまたがらず、だからその時間が余ってしまった。おかげで私はなんとガーデニングにいそしんでしまった。とりわけバラ栽培にはまってしまった。
オールドハーレーを駆りハードボイルドなバイカーを気取っていた私だが、今や、剪定ばさみやら堆肥やら消毒液やらと親しむガーデナーとなってしまった。靴だっておんなじブーツでもいまやゴムの長靴だ。
また元のハードボイルドなバイカーに戻れるか、ちょっと心配だ。
エンジニアの落合氏に、ひょっとしたら、
「もういい歳になったんだから、バイクからおりて、そろそろ地に足がついた生活でもしてみたら」
と私は導びかれつつあるかもしれない。
2012.11.02 Kiyoshi Nishinomiya





