
八木さんの新築工事が着々と進んでいる。グレーホワイトのラップサイディングも貼られニューイングランド様式の家が足場越しに見える。完成されると、そつのない家になる。
映画「蒲田行進曲」には隙間がない。1982年公開。もう30年前の映画なのにさっぱり色あせていない。風間杜夫、松坂慶子、平田満らが織りなすあの映画には、飽きさせるエピソードがまったくない。
ライバル橘に看板スターを譲るまいとする銀四郎。「昨日、専務に呼ばれてよ。来年のカレンダーの一月は、銀四郎、おまえで行くからって言われてさ」
銀四郎の子を宿したために捨てられ、ヤスといっしょなった落ち目の女優小夏。「今夜は、あんた、帰ってきてほしいのよねぇ」
階段落ちのヤス。「銀ちゃん、かっこいぃ」
どこをとっても名場面名セリフの連続。観客をして飽きさせる隙間がない。大仕掛けのハリウッド映画だってかなわない。
八木さんのお宅もそうしたコンテンツがいっぱいいっぱい。まるで「蒲田行進曲」のような家になる。
2012.10.09 Kiyoshi Nishinomiya





